コラム

COLUMN

むし歯になる人とならない人の違いって?

 

 

 

あなたは虫歯になったことはありますか?

虫歯を治療したことはありますか?

 

むし歯はほとんどの人が経験する病気の一つですが、
あなたの周りにこんな人はいませんか?

 

毎食後しっかり磨いているのに虫歯になってしまう人、

また、そこまでしっかり歯磨きしていないけど虫歯にならない人。

 

家族の中にそんな人がいたら、同じ食生活ですから、不思議に思うことでしょう。

むし歯になりやすい人と、むし歯になりにくい人には科学的な理由があります。

 

 

 

虫歯にならない人って?

 

生まれて一度も歯医者に行ったことはない、

歯磨きが雑でも虫歯にならない人は確かにいます。

こういうタイプの人を検査してみると唾液の力が強いことがわかっています。

 

ただし、歯医者に行っていない、痛みがないだけであり

本当に虫歯がないのかはわかりません。

 

大人の虫歯は痛みを感じないまま大きくなることが多いからです。

 

 

 

虫歯にならない人と虫歯になりやすい人の違いって?

 

これらの人たちがよく虫歯になる人とはどのような違いがあるのでしょうか?

そこには唾液だけではなく、様々な理由があることもわかっています。

 

虫歯になるメカニズムは、歯、虫歯菌、

虫歯菌の餌つまり、食べかすが必要になります。

 

これらが揃わないと虫歯になりません。

 

 

 

虫歯菌

 

虫歯菌(ミュータンス連鎖球菌)は

保護者から感染する事が多いという研究がありました。

 

約1歳半から3歳の時期が最も虫歯菌の感染、口内への定着が見られます。

 

この研究を受けて、口移しや食器の

共用は控えましょうという指導がされています。

 

この時期は乳歯の奥歯や甘いものを食べ始める時期でもあります。

 

6歳までに虫歯菌の定着を防げると、

その後の定着は少ないと言われています。

 

この時期に虫歯菌が定着して、歯ブラシが上手くいかず、

甘いものをたくさん食べていれば虫歯ができやすい環境になります。

 

ただし、虫歯菌があるから虫歯になるわけではありません。

 

口移しや食器の共用と虫歯の発生は関係ないという研究もあります。

必要以上に神経質になってお子さんとの

スキンシップが損なわれるのは良いことではありません。

 

保育園、幼稚園などお友達との生活があると、

完全に感染から守ることは不可能です。

 

虫歯菌の感染は適度なケアを心がけることで十分だと思います。

 

 

 

唾液

 

唾液と虫歯は非常に関係性が深いと言えます。
それは唾液の量と質です。

 

唾液には、カルシウム、リン酸により歯の再石灰化(溶けた歯を修復する)

唾液中の重炭酸塩による緩衝能(口内の歯垢を酸性から中性に戻す能力)があります。

再石灰化を行うため、中和するためには、唾液の量が必要になります。

 

虫歯にならない人は唾液量が豊富です。

唾液が少ない人は非常に虫歯になりやすくなります。

 

ドライマウスの人、内服薬で唾液が出にくい人、

交感神経優位で緊張状態が続いている人などは

唾液が少なく虫歯になりやすいです。

 

歯を磨かないのに、虫歯にならない人の特徴には

刺激時唾液による緩衝能が強い傾向があります。

虫歯になりやすい人は緩衝能が弱い傾向があるとも言えます。

 

 

 

歯垢

 

歯垢は虫歯菌が糖質をエサにして

ネバネバを作り出して、歯に糊のように付着したものです。

歯垢は虫歯菌の住処であり、これが歯にへばりついて酸を出すことで虫歯が作られます
歯垢がバイオフィルムという概念なのだということがわかったのは2000年の研究でした。

 

 

バイオフィルムって?

 

バイオフィルムは細菌を守るようにネバネバが取り巻いています。

そのため、抗生物質が届きません。
このバイオフィルムは、放置しても取ることができません。

歯の表面から機械的にゴシゴシととる必要があります。

 

歯ブラシだけではなく、PMTCが必要ということがわかっています。

 

虫歯にならない人は歯垢が出来る前に歯ブラシで

キレイに歯をブラッシングできている、定期的に歯医者さんに

クリーニングのために通院していると言えるでしょう。

 

虫歯になりやすい人は、歯磨きしているけれども、

歯と歯の間や、裏側、奥の方などいつも磨けていない場所があると思われます。

常に同じ場所に歯垢が付く=バイオフィルムとして

剥がれない→虫歯になるということでしょう。

 

 

 

食事

 

食事には砂糖と間食が影響していると思います。

虫歯は虫歯菌が糖質を餌にして繁殖するところから始まります。

 

糖質で最も餌になるのはショ糖です。

白い粉である砂糖でお馴染みです。

いわゆるお菓子がそうですが、煮物にも入っていますし、

加工食品には入っていることが多いです。

 

 

ジュースを飲む頻度も上がっていますので、

以前よりも砂糖を口にする機会は増加しています。

 

ショ糖だけではなく他の糖質も餌になりますので、

炭水化物や果物なども細菌のエサになります。

 

最近は糖質制限が流行っていますが、糖質を減らすと、

歯垢の出来る量もその質(ベタベタ度合い)が変わります。
間食が多い人は虫歯になりやすいです。

 

虫歯にならない人は意外と甘いものを食べない、間食をしないとも言えます。

 

 

 

まとめ

 

 

 

虫歯にならない人には様々な考えられる要因があります。

虫歯のリスクを持っている人は

定期的に歯科医院へ行って歯の磨き方や、生活習慣のアドバイスを受けて、

頑張ってケアをする以外ありません。

 

むし歯だけではなく、お口の中の健康を維持していきましょう。